1.はじめに

日頃、余り使わない車を突然使おうとすると、車自身の暗電流でバッテリ上がりを生じ、エンジンを掛からない事があるため、今回ソーラーパネルを使って、常時バッテリ充電を行う事を試みた。下図が概念図

1.概要  このカーバッテリー(鉛蓄電池)充電器の 回路構成は定電圧方式で,特徴は過充電にならず常時バッテリーに接続しておく事が出来ます。 また本回路には充電電流制限回路を有しており、電流制限値は電源IC内部にある電流制限用トランジスターの ベース・エミッタ間電圧(約0.7V)と電流制限抵抗素子で決まります。よって、バッテリ電圧が設定電圧より 0.7V以下だとフル充電電流が流れ、それ以上になると設定電圧まで徐々に充電電流が低下して行きます。下図が今回使用したソーラパネル

2.具体的実現方法  入力電源は20Wmaxソーラパネルを使用し、電圧制御は専用IC NJM723Dを使用。 主要回路は、このICと電流ブースター用トランジスターで構成されます。これ以外に出力電圧と充電電流を監視する3桁の7セグメントLEDディスプレーを付加しました。電圧測定はPICマイコンのADC機能を使用、電流値は抵抗の両端の電圧値を測定して、電圧の差分値を抵抗値 で割る計算をPIC内部で行います。また、電圧/電流表示は認識出来る間隔で交互に表示します。 表示する7セグメントLEDは回路の組立をジャンパー線で組み立てる為、出来るだけ簡素化を計る目的で、 各セグメントを時分割駆動で行いPICマイコンと直接接続しました。コモン電流を規定する抵抗3本は必要です。

3.実現回路図(クリックで表示)

CarBatteryCharger回路図

4.回路説明  使用ソーラパネルは性能表から最大出力電圧DC17V、電流値は1.18(A)。 充電用出力電圧VoutはVR1で調整、出力端でVout=13.7Vに設定します。 最大充電電流は固定にしました。最大充電電流はImax≒0.7(V)/1.0(Ω)=0.7(Amax)で電流制限を掛けます。 ここでの電流制限抵抗素子R2は1.0Ωで2W以上の素子が必要。ここでは5W品を使いました。  ダイオードD2はバッテリからの逆電流保護用に設けました。このダイオードの順電圧VFがバッテリー 充電電圧のロスとなる為、ショットキーバリアダイオードで順電圧の低いものを選定。 (SBM1045VSS: VF=0.15(V) at 10mA) ダイオードD1はパワーランプのLEDでソーラパネルの電圧が加わっている時のみ点灯します。 電圧制御ICに付加したダーリントン・トランジスターTr1の最大消費電力PはP ≒{18(V)-11(V)}*0.7(A)≒5(W) となり、トランジスターには放熱器が必要になります。 電圧表示は、PIC16F1827のADC機能を使ってR2の両端電圧を測定します。ADCの基準電圧は電源変動を軽減する為にPIC内部基準電圧=4.096(V)に設定。この事から計測可能な最大値電圧は 4.096(ADCの基準電圧)/0.25(抵抗分圧比)=16.384(V)に成ります。 また、電流測定においてはR2の両端電圧をそれぞれ測定して、その差分電圧値をR2の値で割る事で行います。 因みに、ここでの抵抗分圧精度はかなり高いものが必要となり、一般の固定抵抗素子で実現するのは難しい。何故ならば抵抗値の誤差1%で 13.7(V)*0.01(%)/1(Ω)=137(mA)の誤差が発生してしまいます。 よって、ここでは使う抵抗素子の分圧電圧値を実測して、PICの内部で計算による誤差補正をしました。  7 Segment LEDの時分割表示方法として、下記に全セグメント点灯時のタイミングチャートを示します。 dg1,dg2,dg3は各LEDのカソードコモン端子、D・・・Aは各セグメント端子で、これら各セグメントをそれぞれ 1mSec期間点灯し、ドットマークも含め8セグメント x 3LED=24mSec必要。 この動作を40回繰り返します。電圧と電流の表示は約3秒間隔で交互に切り換えます。 セグメントの点灯順番はPICマイコンとの接続方法で決まります。  これにより、コモン端子に流れる電流は1セグメント分の電流で良いため、PIC端子との接続に於いて 電流バッファ回路が不要となり、電流制限抵抗のみで接続可能です。但し、LEDの輝度が低くなるため 明るい場所での使用には適しません。

 

4.PICの開発環境   PICマイコン:PIC16F1827   PCのOS:Windows10 Pro (64bit)  統合開発環境:MPLAB X IDE v4.0   Compiler:XC8  v1.43 (評価版)  PICライター:PICKit3 

5.PICのソース・ファイル(下記クリックでダウンロード)

 CarBattreyCharger.c  

6.完成写真  (部品面とジャンパー面)  ケース外側寸法:117 x 84 x 28mm